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コールドメール用のセカンダリドメイン:守れるもの、守れないもの

送信者がコールドメールを別のドメインに分ける理由、ドメインの評価についてメール事業者が文書にしていること、そして分離がどこで終わるのかを説明します。メールボックス数とドメイン数の計算と、設定の手順も示します。

石造りの主岸壁に係留された大きな船。港を少し進んだ先では、小さな郵便船が専用の木の桟橋に泊まり、同じ濃紺のペナントを掲げている

要点

  • セカンダリドメイン(メインとは別のドメイン)を使うと、コールドメールへの苦情は、そのドメイン自身の評価にとどまります。GmailとYahooはどちらも、評価を送信ドメインごとに追跡していると文書に記しています。
  • 分離は部分的です。Gmailは、リンク先のドメインを基準にしたレート制限も行います。また、メール事業者の規約は、送信に使うすべてのドメインに適用されます。
  • ドメインあたりのメールボックス数の上限を公表しているメール事業者はありません。よく言われる2〜5件は、コールドメール配信ツールの提供元によるもので、1つのドメインがブロックされたときの損失を抑えるためのものです。
  • 新しいドメインには、そのドメイン用のSPF・DKIM・DMARCレコード、1日以上の待ち時間、そしてゆっくりとした立ち上げが必要です。
  • 実績のあるドメインから、下調べをしたメールを1日数通送る程度なら、メインのドメインで足ります。

セカンダリドメインとは、あなたが所有する2つ目のドメイン(メインとは別のドメイン)です。メインのドメインに近い名前を持ち、コールドメールだけに使います。狙いは、迷惑メール報告やブロックがそのドメインに付き、請求書、サポートの返信、パスワード再設定が依存するドメインには付かないようにすることです。この分離は現実のものです。GmailとYahooはどちらも、評価を送信ドメインごとに保持していると文書に記しています。同時に、分離は部分的でもあります。リンク、内容、メール事業者の規約は、ドメインが変わってもついてくるからです。コールドメールがあなたにとって安定したチャネルなら、セカンダリドメインを持つ価値があります。何年も通常のメールを送ってきたドメインから、下調べをしたメールを1日数通書く程度なら、必要ないかもしれません。

セカンダリドメインとは

あなたの会社のドメインがharborpost.exampleだとします。セカンダリドメインは、たとえばgetharborpost.exampleのようなものです。あなた自身が登録し、専用のメールボックスと専用のDNSレコードを持ち、やがて独自の評価を持つようになります。コールドメール用ドメインや、アウトリーチ用ドメインとも呼ばれます。

混同しやすい、よく似たものが2つあります。

  • サブドメイン(mail.harborpost.exampleなど)は、メインのドメインの一部です。それがなぜ重要かは、後で説明します。
  • エイリアスドメインは、Google Workspaceで、既存の各メールボックスに別のドメインの2つ目のアドレスを与えるものです。メールボックスも、送信できる数も増えません。Googleは、エイリアスから送信されたメッセージを、同じユーザーの1日の上限に算入します。

Googleは「セカンダリドメイン」という用語を、1つのWorkspaceアカウント内にあり、独自の有料ユーザーを持つ追加のドメインに使っています。最大599個まで追加できます。コールドメール用ドメインは、この方法でも、専用の別アカウントでも設定できます。

守れるもの

メール事業者は、メッセージに署名したドメインに評価を結び付けます。この部分は文書化されています。Googleのメール送信者のガイドラインには、こうあります。

Gmailは、送信数、フィードバック、上限をドメインおよびIPアドレスごとに追跡しています

同じ箇所には、「DKIMとSPFの割り当てはドメインごとに固有です」ともあります。DKIMはメッセージをドメインに結び付ける署名で、SPFはそのドメインから送信してよいサーバーの一覧です。Yahooの送信者向けベストプラクティスも、同じことを述べています。

各IPと各DKIMドメインには評価があり、メールの配信に影響することがあります。未承諾の商用メールを送信すると、評価に悪影響が及ぶことがあります。

したがって、getharborpost.exampleで署名されたメールを受信者が報告すると、その報告はgetharborpost.exampleに対して記録されます。Google WorkspaceやMicrosoft 365を通して送信している場合、IPアドレスはメール事業者のもので、他の顧客と共有されています。評価のうち、あなたのものと言えるのはドメインの部分です。

セカンダリドメインを使う根拠はこれに尽き、それは筋の通ったものです。キャンペーンがうまくいかなかったとき、痛手を受けるのは、顧客がメールを書いてくるドメインではありません。

守れないもの

リンク

Gmailは、メッセージの中に現れるドメインも追跡しています。GmailのSMTPエラーの一覧には、まさにそのための項目があります。

421 4.7.28 Gmail has detected an unusual rate of unsolicited email
containing one of your URL domains. To protect our users from spam,
email with the URL has been temporarily rate limited.

getharborpost.exampleからのコールドメールがすべてharborpost.exampleにリンクしているなら、メインのドメインはすべてのメッセージに同乗しています。最初のメールにリンクが必要なことは、めったにありません。求めているのは返信です。

専用の桟橋に係留された小さな郵便船。主岸壁の大きな船と長いロープでつながったままで、どちらも同じペナントを掲げている
桟橋は別でも、本船とは綱でつながったままです。

フィルタに見える、そのほかのすべて

Yahooの送信者向けFAQは、送信者はドメイン単位で見られると述べ、こう続けます。「ただし、送信者の遵守状況を審査するために、利用できるすべての情報(内容、IPなど)を使用します。」同じ文面、同じ署名、同じリンクを姉妹ドメインから送れば、それも情報になります。

サブドメインで守れる範囲は、さらに狭い

Googleの送信者向けFAQは、例を挙げています。solarmora.comから1日2,500通、promotions.solarmora.comから2,500通を送ると、大量送信者になります。「5,000通すべてが同じプライマリドメインから送信されたため」です。少なくともこの目的では、サブドメインは別扱いになりません。Postmaster Toolsではサブドメインを単独で表示できますが、サブドメインの評価が親ドメインの評価とどう関係するのかを、Googleは公表していません。この空白があるので、コールドメールについては、別に登録したドメインを使うのが通例の助言になっています。購読した人に送るメールマガジンなら、サブドメインで分けるのが一般的です。

メール事業者の規約

GoogleのWorkspace向けAcceptable Use Policy(利用規定、最終変更2025年10月13日)は、サービスを使って「未承諾の大量メールを生成、配布、公開、または助長する」ことを禁じています。これは、メールがどのドメインを名乗っていても、顧客を拘束します。Microsoftの外部受信者に関するテナント単位の上限は、テナント内のすべてのドメインを合算して数えます。

Gmailのプログラムポリシー(最終更新2025年11月13日)は、「以前に禁止された行為を行うことを意図して、複数のアカウントを作成もしくは使用すること、またはその他の方法を用いること」を回避行為として挙げています。1つがブロックされた後に、続けるために新しいアカウントを開設するのは、この一文が述べているパターンです。新しいドメイン名にしても、それは変わりません。

法律、そして読み手

2つ目のドメインを使っても、あなたと受信者が住む場所での未承諾メールに関するルールは、何も変わりません。米国では、FTCのCAN-SPAMガイドが、「発信元のドメイン名とメールアドレス」が正確で、誰がメッセージを送ったのかを特定できるものであることを求めています。そして、メインのドメインを傷つけたはずのリストと文面は、同じようにこのドメインも傷つけます。損害の落ちる場所が変わるだけです。

あなたには必要か

あなたの状況合っているもの
何年も通常のメールを送ってきたドメインから、下調べをしたメールを1日数通メインのドメインで足ります。ふだんは別ドメインを勧めているHunterも、これを例外として挙げています。1日5〜10通の的を絞ったメール、長く使われてきたドメイン、有効なアドレスのみ、という場合です。
平日は毎日送る、安定したチャネルとしてのコールドメールセカンダリドメイン。
送信者が複数いる、またはメールボックス2〜3件では足りない送信数複数のセカンダリドメイン。計算は下にあります。
購読した人に送るメールマガジンセカンダリドメインではありません。サブドメインと、一括メール向けに作られたメール配信サービスです。Microsoft自身、メールマガジンの送信者にはそうしたサービスを案内しています。

ドメインあたりのメールボックスは何件、ドメインはいくつ必要か

数字を公表しているメール事業者はありません。Googleの送信上限はユーザー単位で、Workspaceアカウントには数百のユーザーとドメインを持たせられます。出回っている数字は、コールドメール配信ツールの提供元のものです。

出典ドメインあたりのメールボックスページの日付
Puzzle Inbox最大3件2026年
Instantly3件2025年9月29日
LeadHaste2〜3件2026年8月6日
Smartleadのヘルプセンター2〜3件日付なし、2026年10月に確認
Hunter5件未満2023年12月29日
SmartReachの計算ツール5件2026年10月に確認

同じHunterのページは、こうした数字の出どころについて率直です。

ドメインあたり2アカウントまでにすべきだと言う人もいれば、5つだと言う人もいます。しかし、特定の数字を正当化するのは困難です。

少ない数字の役割は、損失に上限を設けることです。ドメイン上のすべてのメールボックスは、そのドメインの評価を共有しています。そのため、ドメインがブロックされると、そのメールボックスはすべて一緒に止まります。メールボックスを3件失うのは、ついていない1週間です。15件なら、パイプライン全体です。

それを踏まえれば、規模の見積もりは単純な計算です。

1日の送信数      = 1日の新しい見込み客数 × 見込み客1人あたりのメール数
メールボックス数 = 1日の送信数 ÷ メールボックスあたりの送信数
ドメイン数       = メールボックス数 ÷ ドメインあたりのメールボックス数

すでに動いている3通のシーケンスについて、慎重な前提と余裕のある前提で、それぞれ計算してみます。どちらの組み合わせも、公表されている助言に基づくものです。メールボックスあたりの数字の出どころは、1つのメールボックスから1日に送れるコールドメールの数で示しています。

1日の新しい見込み客1日の送信数メールボックスあたり30通、ドメインあたり3件の場合メールボックスあたり50通、ドメインあたり5件の場合
10人30通メールボックス1件、ドメイン1つメールボックス1件、ドメイン1つ
40人120通メールボックス4件、ドメイン2つメールボックス3件、ドメイン1つ
100人300通メールボックス10件、ドメイン4つメールボックス6件、ドメイン2つ

どちらの列もルールではありません。両者の違いは、支払う額と負うリスクです。メールボックスはどれも有料のユーザー枠で、それぞれにウォームアップが必要です。ドメインはどれも、登録とDNSレコードがそれぞれ必要です。

短い木の桟橋が3つあり、それぞれに小さな郵便船が2、3隻泊まっている。1つの桟橋はロープで閉鎖され、ほかの2つでは船が手紙の積み込みを続けている
桟橋ごとに船は数隻。1つの桟橋が閉鎖されても、ほかの桟橋は動き続けます。

設定の手順

  1. ひと目で自社のものと分かる名前を選びます。ブランド名の前か後ろに短い単語を付けたものです。他社の名前や、綴りをもじった名前は避けます。
  2. 登録したら、1日置きます。Spamhausは、新しく登録されたドメインを最初の24時間、Zero Reputation Domainsリストに載せます。
  3. 実在の人のメールボックスを作成します。sales@ではなく、受信者が調べて確かめられる名前と顔を使います。
  4. 新しいドメイン用にSPF・DKIM・DMARCを公開します。メインのドメインのレコードは引き継がれません。Google Workspaceでは、3つのレコードは下の例のようになります。Googleでは、Gmailを有効にしてからDKIM鍵を生成できるようになるまで、24〜72時間待つ必要があります。
  5. そのウェブアドレスに何かを置きます。受信者は、返信する前にドメインを調べます。そのため、Hunterはメインのサイトへのリダイレクトを勧めています。ウェブ上のリダイレクトは、メール内のリンクとは別物です。
  6. ウォームアップし、それから送信数をゆっくり増やします。新しいドメインには履歴がありません。別のガイドで、新しいメールボックスの始め方を扱っています。見込むべき週数は、メールウォームアップにかかる期間をご覧ください。
  7. 同じメールボックスから返信します。返信はセカンダリドメインに届きます。そこで読むか、転送し、会話は受信者が書いてきたアドレスのまま続けます。
getharborpost.example.                    TXT  "v=spf1 include:_spf.google.com ~all"
google._domainkey.getharborpost.example.  TXT  "v=DKIM1; k=rsa; p=(key from the Admin console)"
_dmarc.getharborpost.example.             TXT  "v=DMARC1; p=none; rua=mailto:dmarc@getharborpost.example"

WarmupBayが役に立つところ

新しいドメインのメールボックスは、送信履歴がない状態から始まります。WarmupBayは、最初のコールドメールを送る前に、いくらかの履歴を与えます。メールボックスが共有プール内の他のメールボックスと短いメールを交換し、1日3通から始まって毎日1通ずつ増え、1日10通まで、サイトにバッジを表示すれば最大30通までになります。無料で、カードもサブスクも不要です。

メールボックスを接続すると、WarmupBayはドメインのSPF・DKIM・DMARCを確認し、そのまま使えるDMARCレコードを表示します。72時間たってもレコードがない場合、ウォームアップは停止します。先週設定したばかりのドメインなら、このチェックが、損害が出る前に欠けているレコードを見つけます。

できないこともあります。キャンペーンの送信、ドメインの登録、メールボックスのローテーションは行いません。1アカウントにつきメールボックスは1件です。GmailとGoogle Workspaceはアプリパスワードで、その他のメール事業者はIMAPとSMTPで接続します。Microsoft 365とOutlook.comは、まだ接続できません。新しいドメイン1つにメールボックス1件、という段階なら、ウォームアップを始められます。

よくある質問

新しいドメインは、送信を始める前にどれくらい寝かせるべきですか?

文書化されている待ち時間は2つです。Spamhausは、新しく登録されたドメインを最初の24時間リストに載せます。Google Workspaceでは、Gmailを有効にしてからDKIM鍵を生成できるようになるまで、24〜72時間かかります。それ以上については、よく言われる2〜4週間という助言は、ウォームアップの慣例です。ドメインの最低年齢を公表しているメール事業者はありません。

セカンダリドメイン用に、別のGoogle Workspaceアカウントが必要ですか?

技術的には必要ありません。Googleでは、1つのアカウントに最大599個のセカンダリドメインを追加でき、それぞれに有料ユーザーを持たせられます。別のアカウントを開設することもできます。同じアカウント内のドメイン同士で評価が結び付けられるかどうかを、Googleは文書にしていません。Acceptable Use Policy(利用規定)は、どちらの場合にも適用されます。

セカンダリドメインの末尾(.comなど)は何にすべきですか?

ドメイン末尾の順位付けを公表しているメール事業者はありません。Hunterなどの提供元は、可能なら.comを、そして迷惑メールと結び付けられていない末尾を勧めています。それよりも良い基準は、受信者がその名前を見て、あなたの会社だと分かるかどうかです。

ブロックされたセカンダリドメインは、どうすればよいですか?

そのドメインでのキャンペーンを止め、まず原因を突き止めてください。リストか、文面か、送信数かです。そのうえで、少ない数から再開し、ゆっくり増やします。これは、バウンスや遅延の後についてGoogleのガイドラインが勧めていることです。新しいドメインを登録して同じキャンペーンを繰り返しても、結果は同じです。また、ブロックされた行為を続けるために新しいアカウントを開設することは、Gmailのポリシーが「回避」と呼ぶものにあたります。

セカンダリドメイン宛ての返信を、普段の受信トレイで受け取れますか?

はい。転送を設定するか、そのメールボックスをメールソフトに追加すれば受け取れます。それでも、返信はセカンダリドメインのアドレスから送ってください。受信者が、1人の送信者との1つの会話にとどまれるようにするためです。Googleは、自動転送されたメッセージを1日の送信上限に数えません。

出典

  1. Email sender guidelines – Google Workspace Admin Help
  2. Email sender guidelines FAQ – Google Workspace Admin Help
  3. Get started with Postmaster Tools – Gmail Help
  4. Gmail SMTP errors and codes – Google Workspace Admin Help
  5. Gmail sending limits in Google Workspace – Google Workspace Admin Help
  6. Add a user alias domain or secondary domain – Google Workspace Admin Help
  7. Set up SPF – Google Workspace Admin Help
  8. Set up DKIM – Google Workspace Admin Help
  9. Set up DMARC – Google Workspace Admin Help
  10. Google Cloud Acceptable Use Policy for Google Workspace (last modified October 13, 2025)
  11. Gmail Program Policies (last updated November 13, 2025)
  12. Sender Best Practices – Yahoo Sender Hub
  13. Sender FAQs – Yahoo Sender Hub
  14. Exchange Online limits – Microsoft Learn
  15. Introducing Exchange Online Tenant Outbound Email Limits – Microsoft Exchange Team Blog (updated August 2026)
  16. CAN-SPAM Act: A Compliance Guide for Business – Federal Trade Commission
  17. Recently registered domains: how to avoid the risks (Zero Reputation Domains) – Spamhaus
  18. Set Up a Dedicated Cold Email Domain – Hunter (September 8, 2023)
  19. Set Up Your Outreach Ops for Scale – Hunter (December 29, 2023)
  20. How to Use Secondary Domains for Cold Email Safety – Instantly (September 29, 2025)
  21. How Many Domains Do You Need for Cold Email Outreach? – LeadHaste (updated August 6, 2026)
  22. All you need to know about secondary sending domains – Smartlead Help Center
  23. How Many Inboxes Per Domain for Cold Email? – Puzzle Inbox (2026)
  24. Cold email volume and mailbox calculator – SmartReach.io

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