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Gmailのアプリパスワード:項目が表示されない理由と、表示させる方法

Googleがアプリパスワードを提供するのは、2段階認証プロセスがオンの場合だけです。一部のアカウントでは、まったく利用できません。自分がどのケースに当たるのか、何を変更すればよいのかを、2026年10月時点のGoogleのヘルプページと照らし合わせて説明します。

港の小屋の壁にある木の鍵掛け。真鍮の鍵が3本掛かり、フックが1つだけ空いている

要点

  • アプリパスワードは、2段階認証プロセスをオンにしているGoogleアカウントにしかありません。
  • myaccount.google.com/apppasswordsを直接開いてください。Googleのヘルプは、メニューからたどる道順をもう説明していません。
  • Google Workspaceでは、管理者がユーザーに2段階認証プロセスを許可し、セキュリティキーを唯一の方法として強制しないようにする必要があります。
  • 2026年も、Google Workspaceでアプリパスワードは使えます。2025年春に終了したのは、通常のアカウントパスワードでのログインです。
  • Advanced Protection(高度な保護機能)に登録したアカウントでは、アプリパスワードは一切使えません。

Googleアカウントでアプリパスワードのページが開かない場合、原因は次の4つのいずれかです。2段階認証プロセスがオフになっている。2つ目の手順がセキュリティキーだけである。アカウントが組織のもので、管理者が許可していない。アカウントがAdvanced Protection(高度な保護機能)に登録されている。最初の2つは、自分で数分あれば変更できます。3つ目にはGoogle Workspaceの管理者が必要ですが、小さな会社ではそれが自分自身であることも少なくありません。4つ目は、高度な保護機能をやめないかぎり変更できません。

以下のメニュー名と引用は、2026年10月5日にGoogleのヘルプページと照らし合わせて確認しました。Googleはこれらのメニューの名前をときどき変更するので、表示名よりも直接リンクを頼りにしてください。

項目がないとき、何が表示されるか

Google自身のヘルプページ「アプリパスワードでログインする」は、アカウントのメニューからたどる道順をもう説明していません。示しているのはmyaccount.google.com/apppasswordsというリンク1つで、再度ログインが必要になる場合があると書いています。ですから、セキュリティ設定の中で項目を探すのではなく、このアドレスを直接開いてください。

アカウントが対象外の場合、ページは開きません。この状況になった人たちは、「The setting you are looking for is not available for your account」(お探しの設定は、このアカウントでは利用できません)という短い通知が出ると報告しています。たとえば2020年のこの公開バグ報告です。Googleのヘルプはこの通知を引用していません。理由を挙げているだけです。

2段階認証プロセスを設定したのに、アプリパスワードを追加する項目が見つからない場合は、次の理由が考えられます。

  • Googleアカウントの2段階認証プロセスが、セキュリティキーにのみ設定されている。
  • 職場、学校、その他の組織のアカウントにログインしている。
  • Googleアカウントで高度な保護機能が有効になっている。

同じページは、このリストの1行上で、3つすべての前提となる条件を挙げています。「アプリパスワードを作成するには、Googleアカウントで2段階認証プロセスが必要です。」これでケースは4つになります。ヘルプページの説明はそこまでで、どのケースについても対処法は書かれていません。

自分のケースを見つける

ケース見分け方変更できる人対処
2段階認証プロセスがオフGoogleアカウントの「How you sign in to Google」(Googleにログインする方法)に「Turn on 2-Step Verification」(2段階認証プロセスを有効にする)が表示される自分オンにしてから、アプリパスワードのリンクをもう一度開く
2つ目の手順がセキュリティキーだけ2段階認証プロセスはオンで、設定されている方法がハードウェアのキーだけ自分キーに加えて、別の2つ目の手順を追加する
職場、学校、組織のアカウント自分のドメインまたは勤務先のドメインのアドレスでGoogleにログインしているGoogle Workspaceの管理者ユーザーに2段階認証プロセスを許可し、セキュリティキーだけに限定しない
Advanced Protection(高度な保護機能)アカウントをGoogleのAdvanced Protection Program(高度な保護機能プログラム)に登録した登録中は誰も変更できないGoogleでログインする方式のツールか、別のメールボックスを使う

始める前に、1つだけ確かめておきましょう。同じブラウザで複数のGoogleアカウントにログインしている場合は、ページがどのアカウントを表示しているかを確認してください。接続したいのは仕事用のメールボックスなのに、個人用のアカウントでリンクを試してしまうことがよくあります。

ケース1:2段階認証プロセスがオフ

2段階認証プロセスとは、パスワードのあとに、スマートフォンでのタップのような2つ目の確認をGoogleが求める仕組みです。アプリパスワードは、これをオンにしたアカウントにしかありません。2026年10月時点のGoogleの手順は次のとおりです。

  1. Googleアカウントを開きます。
  2. Security & sign-in(セキュリティとログイン)に進みます。
  3. 「How you sign in to Google」の下にあるTurn on 2-Step Verificationを選びます。
  4. 画面の手順に沿って進めます。Googleは、2つ目の手順として、スマートフォンに届く確認メッセージを推奨しています。認証アプリや、テキストメッセージで届くコードも使えます。
  5. myaccount.google.com/apppasswordsをもう一度開きます。

この手順は、Googleのページ「2段階認証プロセスを有効にする」によるものです。同じページは、職場や学校で使うアカウントでは「この手順どおりにできない場合があります」と注意しています。当てはまる場合は、ケース3に進んでください。

ケース2:2つ目の手順がセキュリティキーだけ

セキュリティキーは、USBやNFCで使う小さなデバイスで、差し込むかタッチしてログインを確認します。アカウントの2つ目の手順がこれだけの場合、Googleはアプリパスワードを提供しません。理由は、アプリパスワードの働きにあります。アプリパスワードは、パスワードだけでプログラムを通します。キーだけの設定は、まさにそれを防ぐためのものです。

Googleはこの理由を挙げていますが、対処法は示していません。ただ、「セキュリティキーにのみ設定されている」という表現から、対処法は読み取れます。キーに加えて、Googleからの確認メッセージや認証アプリなど、もう1つの方法を追加し、アプリパスワードのリンクをもう一度開きます。キーはそのまま残してください。方法を置き換えるのではなく、追加するだけです。

ケース3:Google Workspaceのアカウント

Googleのリストによれば、「職場、学校、その他の組織のアカウントにログインしている」場合、アプリパスワードが表示されないことがあります。この一文は誤解されがちです。組織のアカウントではアプリパスワードを使えない、という意味ではありません。組織の管理者が決める、という意味です。

港長のカモメが、桟橋の閉じた木の門のそばで、真鍮の鍵の束を持っている
Google Workspaceでは、鍵は管理者が持っています。

2026年もGoogle Workspaceでアプリパスワードは使えるのか

使えます。Googleが2025年春にWorkspaceでアプリパスワードを廃止した、と書いているガイドもあります。しかし、そのときGoogleが終了したのは、通常のアカウントパスワードでのログインです。Googleはこれを「安全性の低いアプリ」と呼んでいます。管理者向けヘルプの「安全性の低いアプリからOAuthへの移行」に、そう書かれています。

アクセスにパスワードは使用しなくなります(アプリパスワードは例外です)。

この変更の日付は、Googleのページによって食い違っています。このページは2025年3月14日としています。POPとIMAPのアクセスに関する管理者向けページは、2025年5月1日としています。どちらも、通常のパスワードの終了について述べたもので、アプリパスワードの終了ではありません。3つ目の管理者向けページ「従来のアプリでの2段階認証プロセスの仕組み」は、アプリパスワードを「非推奨」としつつ、同じ段落で「ユーザーは、アプリパスワードを使ってログインすることで、従来のアプリも使用できます」と認めています。さらに、smtp.gmail.com経由でデバイスやアプリからメールを送信するためのGoogleの現行の手順は、Google Workspaceの完全なアドレス「とアプリパスワード」を入力するよう管理者に指示しています。

管理者が設定すること

ユーザーがアプリパスワードを使えるかどうかを決める設定は、Google管理コンソールの1つのページにまとまっています。Googleは「2段階認証プロセスを導入する」でこれらを説明しています。特権管理者としてログインしている必要があります。

  1. 管理コンソールで、Menu → Security → Authentication → 2-step verification(メニュー → セキュリティ → 認証 → 2段階認証プロセス)に進みます。
  2. 一部のユーザーだけ設定を変更する場合は、横の一覧から、そのユーザーが属する組織部門を選びます。
  3. Allow users to turn on 2-Step Verification(ユーザーが2段階認証プロセスを有効にできるようにする)のチェックボックスをオンにします。
  4. Enforcement(適用)を確認します。オフなら、ユーザーはどの方法でも選べるので、ほかに変更は必要ありません。
  5. Enforcementがオンなら、Methods(方法)を確認します。「Any」(任意)と「Any except verification codes via text, phone call」(テキストメッセージと音声通話による確認コードを除く任意の方法)なら、アプリパスワードは使えます。「Only security key」(セキュリティキーのみ)では使えません。
  6. 保存します。

見落とされやすいのは5つ目の手順です。Googleの管理者向けヘルプは、この点を明記しています。

セキュリティキーを強制すると、アプリパスワードは無効になります。2段階認証プロセスでセキュリティキーの使用をユーザーに必須としながら、従来のアプリへのログインにアプリパスワードを使わせることはできません。

同じドキュメントによると、パスキーが追加されてからは、「Only security key」にパスキーも含まれます。したがって、これを強制している組織では、ユーザーがキーとパスキーのどちらを使っていても、アプリパスワードはオフになっています。

管理者が保存したら、ユーザーはケース1と同じように2段階認証プロセスをオンにし、アプリパスワードのリンクを開きます。

自分が管理者ではない場合

Google Workspaceを管理している人に、電話で確認しなくても対応できる内容を送りましょう。

Google管理コンソールで、私のアカウント(name@example.com)について
次のページを確認していただけますか。

Menu → Security → Authentication → 2-step verification
(メニュー → セキュリティ → 認証 → 2段階認証プロセス)

1. 「Allow users to turn on 2-Step Verification」にチェックが入っていること。
2. Enforcement(適用)がオンの場合、「Methods」が「Only security key」に
   なっていないこと。

メールボックスをIMAPとSMTPでメールツールに接続するために、
アプリパスワードが必要です。

組織として意図的にセキュリティキーを強制している、という返事なら、それはセキュリティ上の判断であり、設定ミスではありません。そのアカウントでは、アプリパスワードはオフのままです。

ケース4:Advanced Protection(高度な保護機能)

Advanced Protection Program(高度な保護機能プログラム)は、Googleで最も厳格なアカウント設定です。ログイン時にパスキーかセキュリティキーを必須とし、データにアクセスできる外部アプリを制限します。アプリパスワードも使えなくなります。Googleのこのプログラムに関するページは、「アプリパスワードは引き続き使用できますか?」という質問にこう答えています。

いいえ。2段階認証プロセスの代わりにアプリパスワードを使用するアプリは、高度な保護機能を利用しているユーザーに対してブロックされます。高度な保護機能に登録すると、現在のアプリパスワードはすべて取り消されます。

これを回避できる設定はありません。Googleでログインする方式で、Googleの確認を受けたツールなら、こうしたアカウントでも使えます。アプリパスワードを求めるツールは使えません。WarmupBayもその1つです。

ページが開いたら:アプリパスワードを作成する

アプリパスワードは、Googleが1つのプログラムのために生成する、16文字の専用パスコードです。プログラムは通常のパスワードの代わりにこれを使うので、通常のパスワードを渡すことはありません。

  1. myaccount.google.com/apppasswordsを開きます。Googleから再度ログインを求められることがあります。
  2. あとで用途が分かる名前をパスワードに付けます。ツールの名前などです。
  3. 作成したら、16文字をすぐにコピーします。Googleのヘルプによると、アプリパスワードはどれも「一度しか確認できません」。
  4. アカウントの完全なメールアドレスと一緒に、ツールに貼り付けます。
何も書かれていない紙の札を結んだ小さな真鍮の鍵が、木の机の上で、封をした手紙の横に置かれている
鍵はツールごとに1本。何を開ける鍵かを書いた札を付けておきます。

文字列をなくしても、あとから確認する方法はありません。新しいアプリパスワードを作成し、古いものを削除してください。

アプリパスワードで何ができるようになるか、どう取り消すか

Googleは、この方法の代償を率直に述べています。ヘルプページは冒頭で、アプリパスワードは「推奨されておらず、ほとんどの場合は不要です」と注意しています。管理者向けヘルプは理由も示しています。「アプリパスワードは2段階認証プロセスを迂回します」。16文字を持っている人は誰でも、2つ目の手順なしに、IMAPとSMTPでメールボックスにアクセスできます。次の3つを習慣にすれば、このリスクを小さくできます。

  • ツールごとにアプリパスワードを1つ。使い回しはせず、それぞれに、対応するツールの名前を付けます。
  • ツールを使わなくなったら削除する。アプリパスワードのページで該当する項目を見つけて削除します。Googleの言葉では、取り消すと「そのアプリはGoogleアカウントに再びアクセスできなくなります」。
  • メールボックスそのものを任せられるツールにだけ渡す。アプリパスワードは、1つのフォルダや1種類のメッセージだけに限定されるものではありません。

ウォームアップツールがこのアクセスで何をするかは、ウォームアッププールの仕組みで説明しています。Googleがこうしたツールを認めているかどうかは、メールウォームアップは許可されているのかで扱っています。

メールボックスの停泊場所:WarmupBayに接続する

WarmupBayは、無料のメールウォームアップサービスです。接続されたメールボックス同士が、1日に数通の短いメールを送り合い、その一部に返信し、迷惑メールに入ったウォームアップメールを「WarmupBay」という名前のフォルダに移します。GmailとGoogle Workspaceのメールボックスは、アプリパスワードで接続します。このガイドがあるのはそのためです。その他のメール事業者は、メールソフトに入力するのと同じ情報を使って、IMAPとSMTPで接続します。

制限が2つあるので、はっきりお伝えします。Microsoft 365とOutlook.comのメールボックスは、まだ接続できません。また、ケース4やセキュリティキーが強制されている場合のように、アプリパスワードを使えないGoogleアカウントも接続できません。入力するアプリパスワードがないからです。

アカウントがケース1、2、3のいずれかなら、あとは簡単です。無料アカウントを作成し、アドレスとアプリパスワードを入力すると、WarmupBayがドメインのSPF・DKIM・DMARCレコードを確認します。この3つは、どのメールが本当にあなたから送られたものかを、受信側のサーバーに伝えるDNSレコードです。ウォームアップは1日3通から始まり、毎日1通ずつ増えて10通になります。これが無料の上限です。そのほかは機能一覧にあります。

作成したばかりのアプリパスワードをGoogleが拒否する場合は、原因が別にあります。Gmailのアプリパスワードが使えないときで扱っています。

よくある質問

独自ドメインでGmailを使っています。これは個人アカウントですか、それともGoogle Workspaceアカウントですか?

独自ドメインのアドレスでGoogleにログインしているなら、ユーザーが自分1人でもGoogle Workspaceアカウントです。その場合、たいていは自分が特権管理者でもあるので、管理コンソールの設定を自分で変更できます。@gmail.comのアドレスでログインし、ドメインのアドレスは差出人として使っているだけなら、個人アカウントです。その場合はケース1、2、4が当てはまります。

Googleのパスワードを変更すると、アプリパスワードはどうなりますか?

Googleがすべて取り消します。Googleのヘルプページは、アカウントを保護するための措置だと説明しています。アプリパスワードを使っていたツールはすべて動かなくなり、新しいアプリパスワードを作成してツールに入力するまで使えません。

ツールを接続する前に、GmailでIMAPをオンにする必要はありますか?

個人のGmailアカウントでは不要です。Googleは2025年1月にIMAPの切り替えスイッチを廃止し、IMAPは常にオンになっています。Google Workspaceでは、IMAPを使えるかどうか、特定のメールソフトに限定するかどうかを、管理者が管理コンソールで決めます。

Outlook.comやMicrosoft 365にも、同じように使えるアプリパスワードはありますか?

いいえ。Microsoftは2024年9月16日以降、Outlook.comのメールボックスに先進認証(Modern Authentication。OAuthとも呼ばれます)を必須としており、Exchange OnlineではIMAPとPOPのパスワードによるログインを廃止しました。Microsoftのドキュメントには、これによってアプリパスワードも使えなくなると書かれています。WarmupBayは、Microsoftのメールボックスにはまだ接続できません。

2段階認証プロセスをオンにすると、ログインのたびにスマートフォンで確認が必要になりますか?

必ずしもそうではありません。Googleでは、パスワードと2つ目の手順でログインするほか、パスキーでもログインできます。パスキーなら2つ目の手順は不要です。Google Workspaceでは、ユーザーがデバイスを信頼できるものとして登録できるように、管理者が許可することもできます。そうすると、そのデバイスでは2つ目の手順を再び求められません。

出典

  1. Sign in with app passwords – Google Account Help
  2. Turn on 2-Step Verification – Google Account Help
  3. Deploy 2-Step Verification – Google Workspace Help
  4. How 2-Step Verification works with legacy apps – Google Workspace Help
  5. Transition from less secure apps to OAuth – Google Workspace Help
  6. Turn POP & IMAP on or off for users – Google Workspace Help
  7. Send email from a printer, scanner, or app – Google Workspace Help
  8. Common questions with Advanced Protection Program – Google Account Help
  9. Add Gmail to another email client – Gmail Help
  10. Deprecation of Basic authentication in Exchange Online – Microsoft Learn
  11. Modern Authentication Methods now needed to continue syncing Outlook Email in non-Microsoft email apps – Microsoft Support
  12. “The setting you are looking for is not available for your account” (App Password) – public bug report, Kanmail issue 93

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